ザクロ 有史以前から栽培され、子孫繁栄の象徴。常温でも数週間は日持ち。
有史以前から栽培「ザクロ」
ザクロ(柘榴)は世界各地で栽培されていますが、日本では東北以南の各地で主に観賞用として、家庭の庭などに植えられています。
ザクロの原産地は、イランやアフガニスタンなどの中近東と考えられていますが、イタリアやスペインなどの南ヨーロッパや北アフリカという説もあります。
ザクロは、イランやトルコでは有史以前から果樹として栽培されてきました。
またザクロは中国でも漢方薬として、紀元前200年頃の漢王朝の頃から利用されてきた歴史があります。
子孫繁栄の象徴「ザクロ」
ザクロはひとつの果実の中に、たくさんの果肉(種のまわりの赤く、透き通った部分)ができることから、世界各地で「子宝」や「子孫繁栄」の象徴とされてきました。
またザクロは「むくみの解消」、「高血圧の予防」、「動脈硬化の予防や改善」など美容や健康によい果実ともいわれています。
ザクロは自家結実性ですが花がつきにくい上、日本ではせっかく花がついても開花が梅雨の最中なので、結実はあまりよくありません。
ザクロは果実が割れ始めるころに収穫するのが確実ですが、熟期になって色がよければ、割れていなくても収穫できます。ザクロの果実は、国産、海外産のものにかかわらず、9月から11月初旬に出回っているものが、甘みが強く、程よい酸味があるとされています。
常温でも数週間は日持ち「ザクロ」
日本で売られているザクロのほとんどはアメリカ産の「ワンダフル」と呼ばれる品種です。ワンダフルは甘く、日本のザクロのように果実が割れないのが特長です。
一方、イラン産のザクロは「メイコーシュ」という品種で、最高品種と呼ばれています。メイコーシュは果実の皮が薄いのが特長です。
海外ではザクロの果汁や果肉を、ジュースやさまざまな料理に使っています。赤いカクテルに使われる「グレナデンシロップ」は、今ではいろいろな果汁や香料でつくられていますが、元々はザクロの果汁からつくられたものです。
ザクロを選ぶときは手に持った時にずっしりと重量感があり、皮に傷などがないものがよいようです。ザクロは皮をむかなければ、常温でも数週間は日持ちします。