タンポポ 小さな花がたくさん集まって1つの花の形を作る。綿毛が濡れてしまうと飛ぶことができない。
綿毛が濡れてしまうと飛ぶことができない「タンポポ」
タンポポ(蒲公英)は日本中に自生するキク科の多年草です。タンポポは春になると道端や空地、公園、庭、アスファルトの割れ目など様々な場所で見かけます。
タンポポの英名「ダンデライオン」やドイツ語の「レーヴェンツァーン」は、ギザギザとした切れ込みが入っているタンポポの葉をライオンの歯に見立てて名付けられたと言われています。
タンポポの綿毛は、タンポポの種子です。花が終わるとつぼみむように閉じて、種子が熟すともう1度開きます。タンポポの綿毛は雨で綿毛が濡れてしまうと飛ぶことができなくなるため、雨の日には開きません。
タンポポの綿毛はドライフラワーとして飾ったり、ハーバリウムを作って飾ったりと、様々なアレンジができます。
小さな花がたくさん集まって1つの花の形を作る「タンポポ」
タンポポの花は3月くらいから咲き始め、夏の暑い時期は休み、秋にまた咲きます。タンポポは冬でも日当たりの良い場所などで花が咲いているのを見かけることがありますが、多くのタンポポは葉を広げ越冬します。
タンポポの花は、小さな花がたくさん集まって1つの花の形を作っています。花びらのように見えているものは、1つ1つの小さな花です。この小さな花1つ1つにそれぞれ雄しべと雌しべが存在しています。
タンポポの花の特徴は、明るさに反応して咲くことです。タンポポの花は朝開き、夜には閉じます。タンポポの花は雨の日は開かないことがあります。
タンポポを摘むと出てくる白い液体は「乳液」と呼ばれるもので、ゴムの成分が含まれています。乳液は、タンポポが虫たちから食べられないようにする役割を果たしています。
萼片の形で見分ける「タンポポ」
身近なところで見かけるタンポポは、「セイヨウタンポポ」と「二ホンタンポポ」の2種類に分けられます。セイヨウタンポポと二ホンタンポポの見分け方は、萼片の形です。セイヨウタンポポの萼片は反り返っているのに対し、二ホンタンポポの萼片は閉じるようになっています。
セイヨウタンポポは別名「ショクヨウ(食用)タンポポ」とも呼ばれ、ヨーロッパでは野菜として利用されています。太い根はきんぴらなどとして食用にできるほか、細かく刻んで煎った根をお湯で抽出するとカフェインレスのコーヒーのようになります。
タンポポは交雑しやすく、最近ではセイヨウタンポポと二ホンタンポポの交雑種も増えているため、萼片が閉じていても二ホンタンポポとは限らないようです。二ホンタンポポは「カンサイタンポポ」、「トウカイタンポポ」、「シナノタンポポ」、「オキタンポポ」、「カントウタンポポ」の5種類に分けられますが、二ホンタンポポ同士も交雑しているため、種の特定は難しいようです。
園芸品種で「モモイロタンポポ」と呼ばれるものがありタンポポによく似た葉と花ですが、正確にはモモイロタンポポはキク科タンポポ属ではなく、キク科フタマタンポポ属の一年草です。