ヒマワリ 太陽の方向を向くように動き、太陽のような大輪の花を咲かせる。フランスのルイ14世の紋章。
フランスのルイ14世の紋章「ヒマワリ」
ヒマワリ(向日葵)は、北アメリカが原産のキク科の一年草で、紀元前1500年頃からアメリカ先住民によって栽培が始まったとされています。
16世紀中頃スペインによって種子がヨーロッパに持ちこまれ、ヨーロッパでもヒマワリ栽培が広まっていきました。フランスの「太陽王」ルイ14世はヒマワリの花を好み、自分の紋章にしました。
ヒマワリが日本に渡来したのは江戸時代で、当時は「丈菊(じょうぎく)」と呼ばれ、大きすぎて下品な花と評されていたようです。
ヒマワリは「日車(ひぐるま)」、「日輪草(にちりんそう)」、「天蓋草(てんがいそう)」、「天蓋花(てんがいばな)」、「天竺葵(てんじくあおい)」、「日向葵(ひゅうがあおい)」、「照日葵(しょうじつき)」、「西蕃葵(さいばんき)」、「羞天花(しゅうてんか)」などの別名があります。英名では「サンフラワー(sunflower)」と呼ばれています。
太陽のような大輪の花を咲かせる「ヒマワリ」
ヒマワリの開花時期は7〜9月で、1茎に1花、太陽のような大輪の花を咲かせます。群植されたヒマワリが一斉に同じ方角を向いて花を咲かせる姿は見応えがあります。
ヒマワリは黄色い花というイメージが強いですが、花色はオレンジ、赤、白、複色もあり、中心部分も黒のほかにグリーン、黄色などの品種があります。花弁が多数重なる八重咲きの品種もあり、こちらは豪華な咲き姿が魅力です。
ヒマワリの花びらの部分はその1枚1枚が独立した花(舌状花)でおしべはありません。一方中心部分もひとつひとつが花(筒状花)で、こちらはおしべとめしべの両方を持つため、種子が出来ます。
ヒマワリは観賞以外にも、種子を炒って食用にしたり、油を搾ったり、飼料に利用することもあります。またかつては染料や薬としても使われていたと言われています。
太陽の方向を向くように動く「ヒマワリ」
ヒマワリは様々な園芸品種が出回っており、品種改良によって草丈30cm程度の「矮性品種」から3mを超える「ロシアヒマワリ」、また「切り花用」など、多種多様です。
ヒマワリは、太陽が移動することによって花の向きが変わると言われていますが、ヒマワリの茎の中では、光が当たらない部分に成長ホルモン「オーキシン」が移動し、光が当たる部分よりも濃度が高くなります。
このためヒマワリの茎は太陽の光が当たる部分よりも光の当たらない部分の成長が早くなり、花が太陽に向いているように成長します。
しかし、実際にはヒマワリが太陽の方向を向くように動くのは花が「つぼみ」の時までで、ヒマワリが開花する頃に茎の成長は止まって動かなくなります。