シロツメクサ 緩衝材として詰められていたため「白詰草」。自分で肥料を作る。

緩衝材として詰められていた「シロツメクサ」

シロツメクサは別名の「クローバー」のほうがよく知られている草花ですが、ヨーロッパ原産の多年草です。

シロツメクサはアメリカ、アジア、オセアニア、北アフリカなど世界中に分布しており、日本でも全国に見られます。

シロツメクサは漢字で「白詰草」と書きます。これは、江戸時代にオランダから献上されたガラス製品の包装に、ガラスが割れてしまわないようにするための緩衝材として、乾燥させたシロツメクサが詰められていたことに由来します。

シロツメクサは日本においては明治時代以降、家畜の飼料用として導入されたものが野生化しました。

自分で肥料を作る「シロツメクサ」

シロツメクサの開花の時期は、4月~6月頃になります。

シロツメクサは茎が地面を這って、葉の脇から伸びる花茎の先に白い球状に花をつけます。花の色が紅紫色の「ムラサキツメクサ」などもシロツメクサの仲間です。

シロツメクサの根には「根粒菌(こんりゅうきん)」という窒素(ちっそ)を溜め込む性質を持った菌がついており、自分で窒素を作って肥料にしています。このため、シロツメクサに肥料は必要ありません。

シロツメクサの通常の小葉は3枚ですが、時に4~6枚の小葉をつけることもあり、特に「四つ葉のクローバー」は幸運が訪れるといわれて親しまれています。

強さと繁殖力がある「シロツメクサ」

シロツメクサのうち「四つ葉のクローバー」は、普段見られる三つ葉のシロツメクサの変異体です。四つ葉のクローバーの小葉は、それぞれ「希望」・「誠実」・「愛情」・「幸運」を象徴しているとされていますが、「幸運」が4枚目の小葉に該当します。

シロツメクサの突然変異の可能性は非常に稀であり、多くの場合は人が歩いたりするなど外的要因で原基(げんき)が傷ついて発生するようです。

シロツメクサは冷涼で日当たりがよく、水分が潤沢で腐植に富む場所を好みますが、乾燥にも耐え、踏みつけられたり刈り取られたりしても次々に再生してくる強さと繁殖力があるため、牧草や芝生の代わりに使われます。

また、シロツメクサは多くの植物が育ちづらい場所でも繁茂するので、緑化資材や土壌浸食防止等によく活用されています。

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