ロウバイ ロウ細工のような黄色い花。蘭にも似た香り高い花で、雪中の四花。
ロウ細工のような黄色い花「ロウバイ」
ロウバイ(蠟梅)は花びらがにぶいツヤのある半透明で、まるでロウ細工のような黄色い花を咲かせます。
ロウバイは別名「カラウメ(唐梅)」ともよばれており、中国を原産地とする落葉低木です。
中国では1000年以上に渡り栽培されている歴史のある花木で、日本、韓国、ヨーロッパ、オーストラリア、アメリカなど世界各国でも観賞用に植栽されています。
ロウバイの名前の由来には諸説ありますが、開花期が旧暦12月の「臘月」にあたるためとする説や、花の色が蜜蠟(ミツバチの巣)に似ているためという説があります。
蘭にも似た香り高い花「ロウバイ」
ロウバイの開花期は、早生種では12月頃、晩生種でも2月頃ですが、新春に蘭にも似た香り高い花を咲かせる貴重な存在です。
日本において「ロウバイ」は、生け花や茶花としても愛好されており、小寒から立春の前日までの間の季語とされています。
ロウバイの花は内側の花弁が茶褐色で、その周囲が黄色ですが、一般に出回っているのは、「ソシンロウバイ(素心蠟梅)」、「マンゲツロウバイ(満月蠟梅)」といったロウバイの「園芸品種」です。
ソシンロウバイは公園や庭先などによく植えられており、黄一色で花色が濃く、花びらが丸くて芳香が強いのが特長です。
ロウバイの園芸品種には中間種が多数存在し、完全に見分けるのは容易ではないといわれています。
雪中の四花「ロウバイ」
ロウバイは中国においては、ウメ、スイセン、ツバキとともに「雪中の四花」として尊ばれています。
ロウバイは一見「黄色いウメ」にも思えますが、ウメとは分類上は異なる樹木です。
中国や東南アジアではロウバイのつぼみを採取し、乾燥させたものを生薬として煎じ、鎮咳・解熱などに利用されています。
ロウバイは江戸時代の初期に朝鮮半島を経由して日本に渡来しましたが、他の花木に先駆けて咲く香りのよい花が、冬枯れの庭を彩る花木として愛されてきました。
ロウバイは遠くからでも花の色と香りを楽しむことができるため、新年の始まりを実感できる花でもあります。