レンギョウ 鈴のような黄色い花を鮮やかに咲かせる。丈夫な性質を持ち、広く栽培されている。
丈夫な性質を持つ「レンギョウ」
レンギョウ(連翹)はモクセイ科の落葉性の低木です。ほとんどの種は中国大陸、朝鮮半島、日本などに分布しますが、1種のみ東ヨーロッパ(主にアルバニア)に自生します。
レンギョウの仲間をまとめて「レンギョウ」と呼ぶこともありますが、厳密には学名で「フォーサーシア・サスペンサ」と呼ばれる特定の種のことを指します。
レンギョウは「レンギョウウツギ(連翹空木)」、「タニワタシ」、「イタチグサ」といった別名を持ち、英語では「ゴールデンベル」と呼ばれています。
レンギョウは丈夫な性質を持つことから、公園や道路の植え込み、寄せ植えの花木として広く使われています。
鈴のような黄色い花を鮮やかに咲かせる「レンギョウ」
レンギョウは3~4月になると枝一面に鈴のような黄色い花を鮮やかに咲かせます。レンギョウは狂い咲きも多く、真冬以外であれば稀に花を咲かせることがあります。
レンギョウの花は「合弁花」と呼ばれる花で、見た目は四枚の花びらがあるように見えますが、根元は筒状になって合体しています。
レンギョウは雌雄異株で、花の後にできる堅い実は先端の尖った卵型をしており、煎じた果実は漢方薬の「連翹」として利尿、解毒、消炎等に効果があるとされています。
レンギョウは、地際から多くの枝を出し、2~3mの高さで株立ちします。またレンギョウの枝は長く伸びて垂れさがり、地面に付くとそこから根をおろす性質があります。
広く栽培されている「レンギョウ」
レンギョウのうち、日本では「ヤマトレンギョウ」、「シナレンギョウ」、「チョウセンレンギョウ」、「インテルメディア」などが植栽されています。レンギョウは北海道南部から九州まで広く栽培されています。
ヤマトレンギョウは西日本のごく限られた地域に自生する品種で、石灰岩の山地に見られます。ヤマトレンギョウの変種で、小豆島のみに分布する「ショウドシマレンギョウ」は、葉と同時に咲く花が他のレンギョウほど鮮やかな黄色にはなりませんが、崖から枝垂れるように伸びる姿に風情があります。日本原産のヤマトレンギョウやショウドシマレンギョウは、花付きが他の種に比べて少ないのが特徴です。
シナレンギョウは中国原産で、花びらはやや細長くてよじれることがあります。シナレンギョウは垂れる枝は少なく、開花とほぼ同時に葉芽が芽吹きます。チョウセンレンギョウは朝鮮半島原産で、分類上はシナレンギョウの変種とされることもあります。チョウセンレンギョウはシナレンギョウに比べると、花びらはやや幅があります。
インテルメディアはレンギョウの仲間を掛け合わせた園芸品種で、ドイツで作出されました。代表的な品種に「スペクタビリス」があります。インテルメディアは「洋種レンギョウ」とも呼ばれ、花が横向きに咲き見栄えがするので、切り花としても広く利用されます。