ピラカンサ 小さな赤い実をつけ、葉と実との対比が美しい。いくつか種類がある。
小さな赤い実をつける「ピラカンサ」
ピラカンサ(ピラカンサス)はバラ科の小さな赤い実をつける常緑低木です。ピラカンサは春には花、秋には美しい果実が実り、年間を通して観賞することができます。
ピラカンサの名前にはギリシャ語の「ピル(炎)」と「アカンサ(刺)」の意味が含まれており、トゲのある枝に炎のような赤い実をつける姿からつけられたと言われています。ピラカンサは、トピアリーとしても利用されます。
ピラカンサの原産地はヨーロッパ南部から東南アジア、ヒマラヤで日本には明治時代に導入されました。ピラカンサは土壌を選ばず栽培が容易で、特別な管理をしなくてもよく育つため広く普及しています。
ピラカンサの和名「常磐山査子(トキワサンザシ)」は、ピラカンサが常緑で実が「サンザシ(山査子)」に似ていることからつけられました。常緑で実付きも良いピラカンサは、縁起のいい庭木や盆栽として好まれています。
葉と実との対比が美しい「ピラカンサ」
ピラカンサの開花時期は、5月~6月です。ピラカンサの花は小さい5枚の花びらで、観賞価値の高い白い花を咲かせます。
ピラカンサの実はやや潰れたような球形で、11月~早春に色づきます。ピラカンサの実の色は、赤、濃い赤、黄色、オレンジなどがあります。
ピラカンサの葉は長楕円形の濃緑色でで光沢があり、実との対比が美しいです。ピラカンサはクリーム色や、ピンクの斑が入る葉の品種も流通しています。
ピラカンサの株は低木なのでそれほど背丈は高くなりませんが、成長が非常に早く枝がよく出るので毎年管理が必要になります。ピラカンサの枝には鋭いトゲがあるので、侵入防止用の生け垣など実用目的で用いられることもあります。
いくつか種類がある「ピラカンサ」
ピラカンサにはいくつか種類がありますが単に「ピラカンサ」といった場合、実が美しい「トキワサンザシ」や「ヒマラヤトキワサンザシ」、「タチバナモドキ」を指すことが多いです。
トキワサンザシは一般にピラカンサとして栽培されており、赤い果実が美しいのが特徴です。ヨーロッパからアジア西部が原産のトキワサンザシは生育旺盛で、庭植えにすると3m以上に育ちます。
ヒマラヤトキワサンザシはトキワサンザシに似ていますが、葉と果実がトキワサンザシより一回り小さいのが特徴です。ヒマラヤトキワサンザシは実つきが非常によいです。
タチバナモドキは中国西部の原産で、鉢植えとしても販売されています。タチバナモドキの果実は黄色で葉は細長く、裏面にはフェルト状の灰白色の毛が密生しています。