オシロイバナ ほのかにいい香り。種をまいて容易に育てられる。
種を割るとおしろいの粉のような「オシロイバナ」
オシロイバナは、ペルーなど熱帯アメリカが原産の草花です。
オシロイバナは、中国へ16世紀末頃に渡った後、江戸時代に日本へともたらされました。
日本では、オシロイバナは一年草扱いにされることも多いのですが、本来オシロイバナは多年草です。
オシロイバナの名前は、花が咲いた後に実る果実に由来しています。オシロイバナは、黒い果実(種子)を割ると、白い粉状のもの(胚乳にあたる部分)があり、それがおしろいの粉のようなことから「オシロイバナ」の名前がつけられています。
ほのかにいい香り「オシロイバナ」
オシロイバナの花期は6月下旬から10月で、分枝した茎の先に、花径2~3㎝程度の花を多数咲かせます。オシロイバナは花が咲くとほのかにいい香りを漂わせます。
オシロイバナの花色は白、ピンク、赤、黄色、オレンジ、紫色、複色があり、絞り咲きや咲き分けのものでは、1株の中で花ごとに少しずつ花色が違う花が咲きます。
オシロイバナの花は夕方4時ごろから開き、翌朝まで咲いていて、天気などにもよりますが、午前中にはしぼんでしまう一日花です。
オシロイバナの英名である「フォーオクロック(Four-O’clock)」の名前は、午後4時頃から咲き始めるこの性質に由来していますが、開花期である夏の期間は、ほとんど途切れることなく次々と咲き続けるため、ずっと花が咲いているように感じられ、長く楽しめます。特に白花や黄花のオシロイバナは、夜間に観賞できるような場所に植えるとよく、暗がりの中でも浮き上がるように花が目立ちます。
種をまいて容易に育てられる「オシロイバナ」
丈夫で繁殖力が強いオシロイバナは、種をまいて容易に育てられるので、各地で野生化しているものも多く見られます。
オシロイバナの近縁種のナガバナオシロイバナは、アメリカのアリゾナ州からテキサス州、メキシコ北部に分布しています。
ナガバナオシロイバナは、名前の通り花筒が10㎝以上の長さになるという特徴がありますが、流通量は少なく、花色は白のみです。
オシロイバナとナガバナオシロイバナは共に多年草ですが、耐寒性が低く日本では冬の寒さで枯れてしまうことが多いため、 一般には春に種をまいて夏に花を楽しむ「春まき一年草」として扱われているようです。