ニチニチソウ 日々花が咲き、花は根元が筒状になっている。ツルニチニチソウとは別属。

日々花が咲く「ニチニチソウ」

ニチニチソウ(日々草)は、インド洋のマダガスカル島やモーリシャス島などの熱帯地域を原産とする植物です。ニチニチソウは多年草ですが耐寒性がないので、日本では一年草として扱われます。

ニチニチソウの属名「カタランツス」の由来はギリシア語で「純粋」を意味する「カタロス(Katharos)」と、花を意味する「アンサス(Anthus)」とを結びつけてつけられたとされています。また和名では、日々花が咲くことから「日々草」と呼ばれ、薬用植物としても知られています。

ニチニチソウが日本に入ってきたのは江戸時代中期とされており、花壇の定番の一つとして人気があります。

ニチニチソウは高温や強い日差し、乾燥などに強く、排気ガスなどの大気汚染に対する耐性も高いため、道路沿いの植栽でも用いられています。

花根元が筒状になっている「ニチニチソウ」

ニチニチソウの開花時期は5月~11月で、花の大きさは大輪品種で直径5㎝ぐらい、極小輪品種ではわずか1㎝程度です。ニチニチソウの花びらは独立した5枚のように見えますが、根元が筒状になっている花の先が大きく5つに裂けて花びら状になっています。

ニチニチソウの花色は、白、赤、ピンクの濃淡系が中心ですが、品種改良によってオレンジや、黒に近い紫、マーブル模様などの品種も見られるようになっています。

ニチニチソウは花色と同時に花形の改良も進み、「カクタス咲き(ダリアのように花びらが巻き込まれて筒状になっている形)」や「風車咲き(かざぐるまのように見える形)」、「フリンジ咲き(花びらにギザギザのフリンジが入っている形)」など、多様な花形が流通しています。

ダリア 咲き方の種類が非常に豊富で、花壇の主役。アステカ帝国では神聖な花として栽培される。

またニチニチソウは花色や花形とは別に、生育の特性によって「矮性」や「立ち性」、「這い性」という3つの種類に分類されています。矮性はあまり大きく生長しない種類で、立ち性は茎が直立方向に育つ種類、這い性は地面を這うように伸びていく種類です。這い性は吊り鉢にもよく合います。

ツルニチニチソウとは別属「ニチニチソウ」

ニチニチソウ属の植物は8種あり、そのうちの7種までがアフリカのマダガスカルに分布しています。現在、園芸店などで目にする品種群は、マダガスカル原産の「ロゼウス」を中心に改良したものです。

ニチニチソウの主な品種のうち「ニルバーナカスケード」は大輪で這い性の品種で、いくつか花色があります。「ベラノ」は大輪の早生種で、特に美しい紫の品種が人気です。

「ライムシャワー」は黄緑色の葉色が涼しげな品種で、「サマーダイヤモンド」は細葉でプロペラ状の花をつけます。「フェアリースター」は極小輪で株のまとまりがよく、性質も丈夫です。

なおグラウンドカバーなどによく使われている「ツルニチニチソウ(ツルビンカ)」は、別属(ツルニチニチソウ属)の植物です。

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