ムスカリ ヒヤシンスとは近縁の花。球根の状態のままで夏を越す。
ヒヤシンスとは近縁「ムスカリ」
ムスカリは地中海沿岸から南西アジアにかけて分布する球根植物で、水栽培でもなじみ深い「ヒヤシンス」とは近縁の植物です。
ムスカリの名前の語源は「マスクメロン」と同様に、ギリシャ語で麝香(じゃこう)を意味する「moschos」(ムスク)であるとされています。
また、花がブドウの房のようにたわわに実っていることから、「グレープヒヤシンス」、「ブドウヒヤシンス」という名前で呼ばれることもあります。
ムスカリの花は、イラク北部のネアンデルタール人の遺跡から埋葬時にたむけられていた跡が発見されたことにより、「史上最古の埋葬花」と言われています。
球根の状態で夏を越す「ムスカリ」
ムスカリは秋に球根を植えると3月~5月中旬に花を咲かせ、花後に葉が枯れて球根の状態で夏を越します。
ムスカリの花は「丸い壺形」や「長楕円形」をしており、1本の花茎にたくさんの花が咲きます。 また、 ムスカリの花色は青紫、白、黄、黄緑などがあります。
ムスカリ属には40~50種がありますが、「ムスカリ・ボトリオイデス」と「ムスカリ・アルメニアクム」が最も多く一般的で、濃紫から淡青、白花などいくつかの品種があり、香りの強いものも見られます。
そのほか、羽毛のような花が咲く「ハネムスカリ」や、花房の上部と下部で色が異なる2色咲きなど、ユニークな種類もあります。
植えたままでも毎年よく咲く「ムスカリ」
ムスカリは種によって異なりますが、花茎の下の方の花はタネができ、先端付近の花はタネができないことが多いようです。また、タネができる花とタネができない花とでは、同一の種にもかかわらず花色が異なることがあります。
ムスカリは、たくさん植えても他の植物を圧倒せず引き立てるので、寄せ植えに適しており「チューリップ」との組み合わせは定番です。
チューリップ 育てやすく種類もたくさんある。花形と草姿などによっても分類。
ムスカリは花壇の縁取りなど、ある程度数をまとめて群生させると、さらにそのよさが発揮されます。
ムスカリは一度植えると、植えたままでも毎年よく咲き、グラウンドカバーとしても利用しやすく、青いカーペットを敷いたような景観をつくることができます。