ミツバツツジ 数多いツツジの仲間のうち最も早く開花する。花が美しく、地方変種が多い。
花が美しい「ミツバツツジ」
ミツバツツジ(三葉躑躅)は落葉性のツツジで、やせた尾根や岩場、里山の雑木林などに生育します。
ミツバツツジの名は、枝先に三枚のひし形の葉をつけることに由来しています。ミツバツツジは、日本を中心としたアジア東部に約30種あります。
ミツバツツジは、ツツジやシャクナゲの仲間で、花を咲かせた後、あるいは同時に葉が出るのが特徴です。
また、ミツバツツジは、さし木やつぎ木でふやすことが難しいことと、野生種に花色が限られていることから、園芸化がほとんど進んでいませんが、花が美しいので、ツツジの中でも比較的よく植えられています。
数多いツツジの仲間のうち最も早く開花「ミツバツツジ」
ミツバツツジは、3~5月頃に花を咲かせます。ミツバツツジは、枝先に2~3個の花がつきます。
ミツバツツジは数多いツツジの仲間のうち最も早く開花し、早春の山を彩ります。
ミツバツツジの花は紅紫色で花径は4cmほど、花びらは5つに裂けた形です。
ミツバツツジは地域差による品種や変種が多く、正確に分類するのは難しいですが、基本種のミツバツツジは雄しべが5本で、それ以外の多くは10本であることが見分ける目安となっています。
地方変種が多い「ミツバツツジ」
ミツバツツジは地方変種が多く、代表的なものでは「トウゴクミツバツツジ(東国三葉躑躅)」、「サイゴクミツバツツジ(西国三葉躑躅)」、「トサノミツバツツジ(土佐ノ三葉躑躅)」などがあります。
トウゴクミツバツツジは、関東の山地に多く自生していることから命名され、関東や中部地方の山中に多い品種です。花期がやや遅く主に5月中旬~6月上旬にかけて咲きます。鳥取県の大山に多く見られることから命名された「ダイセンミツバツツジ(大山三葉躑躅)」は、トウゴクミツバツツジに似ていますが、樹高が4m近くになるなど他の品種より大型で、近畿から中国地方に分布します。
サイゴクミツバツツジは、西日本の山地に多く自生していることから命名され、本州や九州 の山地に多い品種です。5月~6月に花を咲かせ、葉の付け根付近に毛があること、10本の雄しべは長短があることが特徴です。千葉県の清澄山に自生していたことで命名された「キヨスミミツバツツジ(清澄三葉躑躅)」は、サイゴクミツバツツジに似ていますが、全体に毛が少なく葉が小さいことが特徴で、関東から近畿にかけて分布します。
トサノミツバツツジは、高知県の横倉山で発見されたことから高知県の旧国名「土佐」が付いています。近畿、四国、九州南部に多い品種で、雄しべは10本、葉の両面に点々の模様があります。