マンリョウ 光沢のある果実。園芸品種も多数あり、正月飾りに用いられる。
光沢のある果実「マンリョウ」
マンリョウ(万両)は、光沢のある果実と常緑の濃緑色の葉を観賞する縁起植物として親しまれています。
マンリョウは台湾、朝鮮半島、中国、インドなど広い範囲に分布する常緑性の低木で、常緑広葉樹林の下のように一年を通して直射日光の当たらない半日陰の場所に自生しています。
マンリョウは日本では主に関東地方より西に分布しており、古典園芸植物として古くから愛され、盆栽や和風庭園の庭木として植えられています。
マンリョウの名前の由来は、マンリョウと同じように赤い実をつける「センリョウ(千両)」より美しく、価値が高いとされて「マンリョウ(万両)」と称されるようになったといわれています。
センリョウ サンゴのような美しい果実。縁起物として寄せ植え。
正月飾りに用いられる「マンリョウ」
マンリョウの花は、7月から8月頃に1センチに満たないピンクがかった白い小さな花を枝先にたくさん咲かせます。
またマンリョウの葉は長さ10センチほどで、葉は長楕円形で光沢があり、縁がシワシワに波打つのが特徴です。
マンリョウが実をつけるのは晩秋から冬にかけてで、鉢物としてセンリョウなどと共に正月飾りに用いられます。
マンリョウは赤い実(写真の下部)が一般的ですが、白い実(写真の上部)の「シロミノマンリョウ」、黄色い実の「キミノマンリョウ」もよく出回っています。
園芸品種も多数「マンリョウ」
江戸時代にはマンリョウの品種改良が流行したため、実が大きい「オオマンリョウ(宝船)」、葉が赤く縁どられ、表面にも赤い砂をまいたような細かい斑がある「紅孔雀」、葉に模様が入る「千鳥」など、葉に斑の入るものや葉の形の変わったものなど園芸品種も多数存在します。
マンリョウの他にもセンリョウ・カラタチバナ(百両)・ヤブコウジ(十両)・アリドオシ(一両)といった植物は、どれも小さな赤い果実をつけますが、この果実のつく数量に基づいて「万、千、百、十、一」の順番がつけられたといわれています。
マンリョウとセンリョウは混同されることがありますが、葉の上に赤い実をつけるのが「センリョウ」で、「マンリョウ」は葉の下に実をつけます。
センリョウ・マンリョウとアリドオシを寄せ植えして「千両・万両・在りどおし」の縁起で商家の庭園などにそろって植えられることもあります。