カワヅザクラ 自然に交配してできた品種。花の咲いている期間が長い。
自然に交配してできた品種「カワヅザクラ」
カワヅザクラ(河津桜)は、「カンヒザクラ(寒緋桜)」と「オオシマザクラ(大島桜)」とが自然に交配してできた品種とされています。
カンヒザクラはサクラの原種の一つで、旧暦の正月あたりに咲くことから「ガンジツザクラ(元日桜)」と呼ばれることもあります。カンヒザクラは別名「ヒカンザクラ(緋寒桜)」とも言いますが、「ヒガンザクラ(彼岸桜)」とは異なります。
カンヒザクラは釣り鐘状の花が特徴で、花の色は白から濃い桃色まで様々の個体差があります。カンヒザクラは早咲きの特性と、下向きに花が咲く特質が、他のサクラと交配した時に影響を与え、各地で優秀な園芸品種が出来ています。
オオシマザクラもサクラの原種の一つで、「タキギザクラ」、「モチザクラ」と呼ばれることもあります。オオシマザクラは、「ソメイヨシノ」などの多くの園芸品種を生み出したサクラでもあり、「桜餅」は、オオシマザクラの若葉を塩漬けにした物を使用します。
花の咲いている期間が長い「カワヅザクラ」
カワヅザクラは、1月下旬から3月にかけて開花する「早咲き桜」です。
カワヅザクラは、つぼみの時は濃い赤色をしています。
カワヅザクラの花は桃色ないし淡紅色で、「ソメイヨシノ」よりも桃色が濃い色をしています。
またカワヅザクラは、花の咲いている期間が1ヶ月程度で、ほかの桜と比較して長いことから人気があります。
偶然発見「カワヅザクラ」
「カワヅザクラ」の名前は、1955年に静岡県の河津川沿いで原木が偶然発見され、庭先に植えられたことに由来しています。
カワヅザクラは、その後の学術調査で今までに無かった雑種起源の園芸品種であると判明し、1974年に「カワヅザクラ」と命名されました。
現在ではカワヅザクラは公園などによく植えられるようになり、カワヅザクラの花には、ヒヨドリやメジロがよく集まっているのが見られます。
カワヅザクラの「観光名所」は各地にありますが、本州で最も早く花が咲くという「カワヅザクラ発祥の地」伊豆河津町のカワヅザクラ並木や、三浦海岸に植えられているカワヅザクラが有名です。