カンツバキ ツバキとサザンカ両種の特徴で、花は微かに香る。枝が横に伸びる。
ツバキとサザンカ両種の特徴「カンツバキ」
カンツバキ(寒椿)は日本原産の固有種である「ツバキ(椿)」と、同じく固有種である「サザンカ(山茶花)」との交雑により生じた園芸品種であるといわれています。
そのためカンツバキは「ツバキ」と「サザンカ」の両種の特徴をあわせ持っています。
カンツバキは花の特徴がツバキによく似ていて、間違えられることの多い庭木です。
またツバキとサザンカとの交雑は品種が数限りなく、「カンツバキ」を中心に作り出された品種群もあるため、区別が難しいものも少なくありません。
花は微かに香る「カンツバキ」
カンツバキの開花の時期は11月から2月頃です。カンツバキの花の色には赤の他にも白やピンクがあり、花の模様の入り方も色々あります。
カンツバキとツバキの違いですが、一般的には、ツバキの花は香りがありませんが、カンツバキの花は微かに香ります。
またツバキは花が落ちる時には丸ごとぽろっと落ちますが、カンツバキは花びらが一枚ずつばらばらに落ちていきます。
カンツバキとサザンカは開花時期があまり変わらないため見分けることは難しいですが、一般的には、カンツバキの花には「花びらが多い(14枚以上)」、「しわしわにならない」という特徴があり、サザンカの花には「花びらが少ない(5~10枚)」、「しわができるものが多い」という特徴があります。
枝が横に伸びる「カンツバキ」
カンツバキの葉は縁にギザギザがある常緑です。カンツバキは高さが1.5mから3mほどになります。
カンツバキは西日や冬の寒風には弱いものの、大気汚染に強く半日陰でも育てられます。
またカンツバキの枝は横に伸びる性質があることや、芽を出す力が強く自然に形が整いやすことから、広く植えられています。
カンツバキは樹高の低いものは「ハイカンツバキ(這寒椿)」と呼ばれて植え込みに用いられており、樹高の高いものは「タチカンツバキ(立寒椿)」と呼ばれて公園や緑地の生垣、一般家庭の庭木として愛好されています。