ヒヤシンス 春の花壇を彩り、花は香りが良いことでも有名。数多くの品種がつくり出されている。
春の花壇を彩る「ヒヤシンス」
ヒヤシンスはチューリップやスイセンなどと並んで、春の花壇を彩る秋植え球根です。ヒヤシンスは葉と花とのバランスがよく、均整のとれた草姿をしています。
チューリップ 育てやすく種類もたくさんある。花形と草姿などによっても分類。
ニホンズイセン 原産地は地中海沿岸で、シンプルな美しさ。雪の中に咲く花。
ヒヤシンスの原産地はギリシアやシリア、小アジアなどで、日本へは江戸時代の末期に伝わってきたとされています。日本では、10品種ほどが栽培されています。
ヒヤシンスの名前は、ギリシア神話に登場する「ヒュアキントス」に由来し、ヒュアキントスが流した血から生まれた花がヒヤシンスになったという伝説があります。
また、明治時代の日本では、ヒヤシンスを書く際に「飛信子」や「風信子」などの当て字を使っていました。現在でもヒヤシンスを日本語表記する際にはこれらの字が使われることがあります。
花は香りが良いことでも有名「ヒヤシンス」
ヒヤシンスは、3月~4月頃に花を咲かせます。ヒヤシンスの花は切り花として飾って楽しむこともできます。
ヒヤシンスの野生種の花は青紫色ですが、園芸品種の花色は、青や紫、ピンク、白、クリームなど多様です。
ヒヤシンスの花は香りが良いことでも有名です。爽やかで上品な香りが特徴で、アロマオイルや香水などの原料にもなっています。
ヒヤシンスは庭植えや鉢植えなど土壌で育てることも、土を使わずに水耕栽培(水栽培)で育てる事もできます。球根は通常、一球から一つの花を咲かせますが、最近は品種改良が進み一球から数本の花芽を出し咲かせる品種もあります。球根の表皮は花色によって違い、表皮の色でおおよその花の色が分かります。
数多くの品種がつくり出されている「ヒヤシンス」
ヒヤシンスは古くから観賞されて、数多くの品種がつくり出されてきました。現在、よく育てられているヒヤシンスの園芸品種は、「ダッチ系ヒヤシンス」と「ローマン系ヒヤシンス」のふたつに分けられます。
ダッチ系ヒヤシンスはオランダで品種改良されてきた品種で、ローマン系ヒヤシンスはイタリアで改良されてきた品種です。
ダッチ系ヒヤシンスは一本の花茎に小花を縦に連ねるように咲かせます。単にヒヤシンスというとダッチ系ヒヤシンスを指すのが一般的で、水栽培にするのもダッチ系ヒヤシンスです。ダッチ系ヒヤシンスは花数が多く、単体でも見応えがありますが、自然に分球しにくいという特徴があります。
ローマン系ヒヤシンスは草丈が低く、小さな花を咲かせるのが特徴です。一本の花茎に付く花の数は多くありませんが、ひとつの球根からいくつもの茎が生えてきます。花は花茎に対して横向きに星形の花を咲かせます。ローマン系ヒヤシンスは植えたままにしておいても自然に地中で分球して増えていくため、地植えにするのに向いています。