ヒガンバナ 彼岸の時期に咲くことから名付けられ、雑草を抑える効果がある。園芸用として輸出される。
彼岸の時期に咲くことから名付けられた「ヒガンバナ」
ヒガンバナ(彼岸花)は日本や中国に広く自生している球根植物です。
ヒガンバナは中国の長江下流域が原産とされ、日本には古い時代に中国からやってきて根付いた帰化植物とされています。
ヒガンバナという名前は、9月の「彼岸」の時期に咲くことから名付けられたとされています。
またヒガンバナの別名「マンジュシャゲ(曼珠沙華)」は白くやわらかい、見た人を悪から離れさせる力がある天界の花に由来しています。
雑草を抑える効果がある「ヒガンバナ」
ヒガンバナの開花時期は 7月~10月で、1本の真っ直ぐな緑色の茎の先端に直径約10cm前後の花を咲かせます。
ヒガンバナの花色には赤、白、ピンク、黄、クリームなどが存在します。ヒガンバナは幅mm程度、長さ4cm程の花びらを6~7枚放射状に付けます。
ヒガンバナの球根にはアルカロイド系の毒が含まれており、糊にすり下ろした球根を混ぜて屏風などの下紙を張るのに用いると虫が付かず、土壁に混ぜるとネズミがかじらないと言われてきました。
またヒガンバナは他の植物の生長や発芽を抑制する「他感作用(アレロパシー)」があるため、水田の畦に植えると雑草を抑える効果があるとされています。
園芸用として古くから輸出される「ヒガンバナ」
日本に自生しているヒガンバナは3倍体のため種子は出来ませんが、球根が別れる「分球」という方法で数を増やします。ヒガンバナは園芸用として古くからアメリカやヨーロッパへ輸出されていました。
ヒガンバナには多くの品種が存在しますが、日本で園芸植物として一般的に流通しているヒガンバナは、秋の彼岸の頃に赤い花が咲く「リコリス・ラディアータ」と呼ばれる品種です。
「リコリス・アルビフローラ(シロバナマンジュシャゲ)」は白い花びらをしていることから「白彼岸花」とも呼ばれる品種です。リコリス・アルビフローラは花が咲いた後に葉がでる秋出葉型タイプで、花びらの縁がゆるやかな波を打って外側に反る特徴があります。
「オーレア(ショウキラン、ショウキズイセン)」は黄色の花びらをした原種で、リコリス・アルビフローラと同様に秋出葉型で花びらが波を打って外に反り返る特徴があります。オーレアは耐寒性が多少ありますが、主に四国や九州に自生している品種です。