ハギ 秋の七草の一つで、中秋の名月の月見団子に供える。40種ほどの野生がある。

秋の七草の一つ「ハギ」

ハギ(萩)はマメ科ハギ属に分類される植物全体の総称です。ハギは東アジアから北アメリカの広い範囲に自生します。

ハギの名前の語源は、古い株から芽を出す「生え木」という言葉がなまったものとするものなど諸説あります。

ハギの別名には「ニワミグサ(庭見草)」や「ノモリグサ(野守草)」、「ハツミグサ(初見草)」、「シカナクサ(鹿鳴草)」があります。

ハギは「オミナエシ(女郎花)」や「ススキ(尾花)」、「キキョウ(桔梗)」、「ナデシコ(撫子)」、「フジバカマ(藤袴)」、「クズ(葛花)」とともに秋の七草の一つに数えられています。秋の七草は「万葉集」にある山上憶良の歌に由来するとされています。

ススキ 秋の七草のひとつで、地上部が枯れると風情がある。日本文化の中で重要な植物。

中秋の名月の月見団子に供える「ハギ」

ハギの開花時期は7~9月で、地方によっては開花期に見られる中秋の名月の月見団子にハギやススキをそえて供える風習が残っています。

ハギの花はマメ科特有の蝶形花で、直径1~1.5cmほどの小さな花を枝いっぱいに咲かせます。

ハギの花色は赤みの強い紫色をしており、他に白花種もあります。

ハギの葉は丸みの強い楕円形の小さな葉で、少しくすんだような緑色をしています。

40種ほどの野生がある「ハギ」

ハギは全部で40種ほどの野生があるとされていますが、主なものに「ヤマハギ」や「ミヤギノハギ」、「キハギ」、「マルバハギ」、「ツクシハギ」、「ネコハギ」があります。

ヤマハギは朝鮮半島、中国から日本全国の山野に自生する品種で、ハギというとこの種を指すのが一般的です。ヤマハギは7~9月に明るい紅紫の花を咲かせ、高さは1.5~2mで枝がやや細いのが特徴です。ミヤギノハギは別名「センダンハギ」と呼ばれる品種で、宮城県に多く自生することからこの和名がつけられました。ミヤギノハギは生育が旺盛で地面の近くから刈りこんでも翌年には1mほどの高さに生長し、日本では庭木として広く親しまれています。

キハギは他のハギと違い、6~8月に花を咲かせる品種です。キハギは木の高さは2m以上になりますが黃白色の花は7~8mmと小さめで、本州から九州、中国に分布しています。マルバハギは別名「カワチハギ」と呼ばれる品種で、関東より西の地域に多くが自生しています。マルバハギは7~9月に、葉の間に埋もれるようにして紅紫色の花を咲かせます。

ツクシハギは8~10月にツヤのある淡紅紫色の花を咲かせ、高さ2m以上に育ちます。ツクシハギは本州~九州に自生する日本特産種で、福岡県ではじめて発見されたことからこの名前がつきました。ネコハギはハギ属の植物ですが地をはって育つ性質があり、茎の長さは1mほどになります。ネコハギは7~9月に白い小さな花を咲かせ、本州から九州までの広い地域で見ることができます。

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