ハボタン 葉の形がボタンの花に似ている。観賞は主に色づいた葉で、大きさも色も豊富。
葉の形がボタンの花に似ている「ハボタン」
ハボタン(葉牡丹)は、アブラナ科の植物です。ハボタンは、葉の形がボタンの花に似ていることから「ハボタン」と名づけられました。ハボタンは、別名「ハナキャベツ」とも呼ばれます。
ボタン 美しさを象徴する植物で、花びらは薄く絹のようにも見える。シャクヤクと見た目がよく似ている。
ハボタンは地中海沿岸に野生する「ブラッシカ・オレラケア」の変種に当たり、ブラッシカ・オレラケアから生じた変種にはキャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、ケールなどがあります。
原産地のヨーロッパでハボタンは、古くから野菜として扱われてきました。日本には江戸時代に食用として渡来しましたが、その後は観賞用として盛んに品種改良が行われるようになりました。
ハボタンは「祝福」「利益」など縁起のいい花言葉も手伝って、ボタンのかわりとして江戸時代から正月用の寄せ植えに利用されていきました。
観賞は主に色づいた葉「ハボタン」
ハボタンの葉の観賞時期は、11~3月です。
ハボタンの葉色は赤、ピンク、黄、白、紫、緑、複色があります。
ハボタンの観賞は主に色づいた葉ですが、春になるとナノハナに似た黄色い花を咲かせます。ハボタンの開花時期には草姿が大きく乱れるため、多くは1年草として花が咲く前に処分されます。
ハボタンは多年草として育てて、分枝した様子が人が踊っているように見える「踊りハボタン」として楽しむこともできます。
大きさも色も豊富「ハボタン」
ハボタンは品種改良によって、多くの種類があります。ハボタンは結球の違いや葉の縮れ方によって大きく3つに分けられ、それぞれに寄せ植え向きのものや切り花向きのものなど、大きさも色も豊富に展開しています。
「丸葉系」には江戸時代から東京で改良されてきた「東京丸葉系」と、戦後に大阪地方で作り出された「大阪丸葉系」があります。東京丸葉系は最も古い歴史のあるハボタンの系統で、やや草丈が高くキャベツのように葉が丸いのが特徴で「江戸ハボタン」とも呼ばれます。大阪丸葉系は葉の縁が緩やかに波打ち、色彩が鮮やかです。
「ちりめん(縮れ葉)系」は縮葉ケールとの交配によって、明治時代に名古屋で誕生しました。ちりめん系は葉の縁が縮れてちりめん状に細かく波打ち、華やかな印象で全体がこんもりとまとまります。ちりめん系は「名古屋系」、「フリル系」と呼ばれることもあります。
「切れ葉系」は葉が長く、切れ込み方によって「さんご系」や「くじゃく系」などがあります。このほかにも光沢のある質感が特徴の「プラチナケール」や、外葉を外すとバラのように見える「フレアホワイト」があります。