フウセンカズラ 風船状の果実を実らせる。暑さに強く、晩秋まで見ごろが続く。
フェンスや他の植物に絡ませながら繁茂する「フウセンカズラ」
フウセンカズラ(風船葛)は巻きひげを出して、フェンスや他の植物に絡ませながら繁茂するつる性の一年草です。
フウセンカズラはアフリカ、南北アメリカ、アジアの熱帯から亜熱帯地域に広く分布していますが、自生地では道端や空地、河川の脇などで普通に見られる雑草です。
フウセンカズラの仲間は14種類が存在しますが、その中でも観賞用に栽培されているのはフウセンカズラだけです。
フウセンカズラの名前は、風船のような果実に由来していますが、英名の「バルーンバイン(Balloon vine)」は、膨らんだつる性植物という意味で、属名のカルディオスペルマム(Cardioapermum)は、ギリシャ語の「心臓」と「種子」との合成語で、種子に白いハート型の模様があることにちなんだものです。
風船状の果実を実らせる「フウセンカズラ」
フウセンカズラの開花期は7~9月で、花期になると葉の付け根から巻きひげを持った花柄を長く伸ばし、緑がかった小さな白い花を咲かせます。
フウセンカズラの花は5ミリ程度で、4枚の花弁を持っています。フウセンカズラの花には雄花と雌花があり、雌花は受粉すると、3つの折り目の付いた風船状の果実を実らせます。
フウセンカズラの果実は3センチ程度に膨らみ、内側は「ホオズキ」のように空洞になっています。果実の色は最初のうちは明るい緑色で、中の種子が熟すと茶色に変わります。
球状で黒地に白いハート模様の入ったフウセンカズラの種子は、ひとつの果実から3つとれます。
暑さに強く、晩秋まで見ごろが続く「フウセンカズラ」
フウセンカズラは暑さに強く、晩秋まで見ごろが続きます。フウセンカズラは苗を購入するのが手軽ですが、直まきからでも楽に育てられます。
フウセンカズラは、同じつる性植物の「ゴーヤ」に比べると繊細な印象で遮光率は低めですが、風に揺れる果実は見た目にも涼しげで「緑のカーテン」などにもよく使われています。
フウセンカズラの枝は成長すると縦横3メートル程度まで伸びるため、枝と枝とが絡まないようにネット等を早めに準備して誘引していきます。
フウセンカズラは日当たりと水はけのよい場所に植えれば育ちますが、きちんと誘引したり剪定しないと雑草のようになってしまうため、各枝がバランスよく伸びるように管理する必要があります。