ブラシノキ 庭木やシンボルツリーとして植栽され、美しく色づいた雄しべが長く残る。仲間の総称。

庭木やシンボルツリーとして植栽される「ブラシノキ」

ブラシノキは原産地のオーストラリアをはじめ、ニューカレドニアやニュージーランドに広く分布している低木から高木の常緑樹です。

ブラシノキは日本へは明治時代中期に紹介され、庭木やシンボルツリーとして植栽されるようになりました。

ブラシノキの最大の特徴は花の姿で、花の形がビンを洗うブラシに似ているとして「ブラシノキ」と名付けられました。ブラシノキは英名で「ボトルブラッシュ」とも呼ばれており、ブラシノキの別名「カリステモン」は学術名でもあり「美しい雄しべ」を意味します。

ブラシノキは暑さや乾燥に強く、日当たりと水はけのよい屋外の環境を好みます。ブラシノキは庭木のほか、切り花や枝ものとしても生産されています。

美しく色づいた雄しべが長く残る「ブラシノキ」

ブラシノキの開花時期は、5月~6月です。ブラシノキは長い主軸に花柄のない花を多数つけて、茎の先端に小さな花をつけます。

ブラシノキの花色は赤のほか、ピンク、白などがあり、開花時期になると茎の先からも枝が伸びます。ブラシノキの花房全体の長さは、10㎝程度です。

ブラシのように見えるのは長く突出した雄しべで、「花糸」と呼ばれるものです。ブラシノキの花は開花後まもなく落ちてしまいますが、花が落ちたあとも美しく色づいた雄しべは長く残ります。

ブラシノキには30種以上の品種がありますが、ブラシノキの増やし方は「種まき」か「挿し木」が一般的です。ブラシノキの種子は枝に残りますが、山火事などで温度が上がると種子が弾けて自然に芽生えて生育する個性的な木です。

仲間の総称「ブラシノキ」

ブラシノキの仲間には「ハナマキ(花槙)」の和名で「キンポウジュ(金宝樹)」の別名をもつキトリヌス種、「シロバナブラシノキ」の和名のサリグヌス種、「シダレハナマキ」の和名のウィミナリス種がありますが、和名で「ブラシノキ」と呼ばれているのはスぺキオスス種です。ただし、これらの仲間を総称して「ブラシノキ」と呼ぶこともあります。

ブラシノキで最も有名な「ドーソンリバー」は、真っ赤な花色がとても美しい品種です。ドーソンリバーは花付きが良く育てやすいため、オーストラリアでは街路樹や庭木として利用されています。

「ピンディーピンディー」は四季咲きの珍しい品種で、春から秋にかけて赤みがかったピンク色の花を咲かせます。ピンディーピンディーは葉が細かく枝も密になるため、刈り込んで垣根としても活用できる品種です。「パープルスプレンダー」は赤とは微妙に色が違い少し紫がかかっているので、落ち着いた印象をもちます。

「ピンクシャンパン」は名前のとおりピンク色の花がとても印象的な品種で、女性に人気があります。「ホワイトアイザック」は真っ白な花色が特徴で、赤い品種と一緒に植えて色のコントラストを楽しむことができます。

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