アヤメ 黄色と紫色の網目状の模様が特徴。ハナショウブやカキツバタと見た目が似ている。
乾いた土地に見られる「アヤメ」
アヤメは低山から高原の明るい草原などの、乾いた土地に見られる多年草です。
アヤメの名前の由来は諸説あり、葉の模様や花びらに網目状の模様があることから「文目」から「アヤメ」となったという説や、輸入した漢部(アヤべ)が転じてアヤメとなったという説、さらには青禰芽(アオイヤメ)から転じてアヤメとなったという説があります。
アヤメは漢字では「綾目」あるいは「菖蒲」と書きますが、菖蒲は「アヤメ」とも「ショウブ」とも読めるので混同しやすいです。
一般にショウブは、端午の節句の「菖蒲湯」や「菖蒲酒」で知られている「ショウブ科のショウブ」のことを指しますが、アヤメ科の「ハナショウブ(花菖蒲)」も、ショウブと呼ばれています。
黄色と紫色の網目状の模様が特徴「アヤメ」
アヤメの花の見頃は5月上旬から中旬で、茎の先端に花径5~8センチくらいの青紫色の花を1~3輪くらい咲かせます。
アヤメの花は花びらの付け根部分にある黄色と紫色の網目状の模様が特徴で、外側に3枚の大きな花びらが垂れ下がるように咲きます。
アヤメは古くから栽培されていますが、アヤメの園芸品種は同じアヤメ科アヤメ属の「ハナショウブ」や「カキツバタ(杜若)」ほど生まれませんでした。
アヤメの実は熟すると下部が裂け、種子が散布されるという性質があります。
ハナショウブやカキツバタと見た目が似ている「アヤメ」
アヤメは、ハナショウブやカキツバタと見た目がとても似ていますが、ハナショウブとカキツバタはアヤメと異なり、池や沼の近くの湿地に群生しています。
ハナショウブは高さが80~100cm程度で、花びらの付け根部分には黄色い模様があります。ハナショウブは葉の表に1本、裏に2本の葉脈があることが特徴です。
カキツバタは高さが50~80cm程度で、花びらの付け根部分には白い線のような模様があります。カキツバタの葉脈は目立たずやや幅広であることが特徴です。
アヤメは高さが30~60cm程度になり、葉は剣状でまっすぐに立って多数の茎が株立ちになり、短く這う根茎からは多数のひげ根が伸びています。アヤメの葉脈は目立たずに細いことが特徴です。