アメリカノリノキ 剪定の時期を選ばない。花色は成長の段階によって異なり、いくつかの種類がある。
剪定の時期を選ばない「アメリカノリノキ」
アメリカノリノキはアジサイ科で、北アメリカ東部原産の落葉低木です。アメリカノリノキは、別名「アメリカアジサイ」ともいいます。
「アジサイ」や「ガクアジサイ」は日本原産種が改良されたものですが、アメリカノリノキの基本種は昭和初年に渡来したとされています。
ガクアジサイ アジサイの原種。花色は土壌の酸性度に影響される。
アジサイとアメリカノリノキの違いは、花房の大きさと色です。アジサイは15~20cmの青色や紫色の花房ができるのに対し、アメリカノリノキは20~30cmの白色やピンク色の花房ができます。
またアジサイの花芽は前年の夏に作られる場合が多く剪定の時期を誤ると翌年は花がきれいに咲きませんが、アメリカノリノキは春にできた花芽がその年の夏に開花するため剪定の時期を選ばなくても毎年きれいに花が咲きます。
花色は成長の段階によって異なる「アメリカノリノキ」
アメリカノリノキの開花時期は6〜7月頃で、花色は成長の段階によって異なります。アメリカノリノキの花はすべて4弁で装飾花のみからなります。
アメリカノリノキの葉は卵状楕円形で、葉の縁には鋸歯があります。
アメリカノリノキは、挿し木で増やすことができます。新しく伸びた枝が堅くなる6~7月頃が、挿し木に最適な時期です。
アメリカノリノキは地植えでも鉢植えでも育てられる植物で、色の異なるアジサイと一緒に植えて楽しむことができます。
いくつかの種類がある「アメリカノリノキ」
アメリカノリノキにはいくつかの種類があり、代表的な品種は「アナベル」と「ピンクアナベル」です。
アメリカノリノキの園芸品種であるアナベルは、たくさんの白い装飾花を咲かせます。アナベルは直径30cmにもなる手毬状の花房が特徴で、アメリカノリノキの中でも人気の高い定番の品種といえます。アナベルは咲き始めは緑色の花ですが、満開になる頃には白色に変化し、冬になるとドライフラワーのように花柄を残します。
ピンク色が鮮やかなピンクアナベルも、人気の品種です。ピンクアナベルも通常のアナベルと同じように手毬状の花房を付け、冬まで花を付けたままにしておくとドライフラワーのような姿を楽しめます。ピンクアナベルは咲きはじめからピンク色の花を付けるため、美しい見た目を長く楽しめるのが特徴です。
アメリカノリノキの品種にはアナベルとピンクアナベルのほかにも「スウィートアナベル」や「ライムアナベル」、「ルビーアナベル」、「インクレディボール」、「ピコティシャルマン」があり、種類によって花の色や大きさが異なり、それぞれ個性があります。