ダリア 咲き方の種類が非常に豊富で、花壇の主役。アステカ帝国では神聖な花として栽培される。
アステカ帝国で神聖な花として栽培「ダリア」
ダリアはキク科に属するメキシコ及び中央アメリカ原産の多年草です。ダリアは標高1,000から4,300メートルの高原の自生地に約30種が分布するといわれています。
ダリアは15世紀頃のアステカ帝国で神聖な花として栽培されており、メキシコの国花にもなっています。ダリアの名前は18世紀のスウェーデンの植物分類学者「アンドレアス・ダール(Anders Dahl)」にちなんで名付けられました。
ダリアがヨーロッパに初めて伝わったのは、フランス革命の頃です。ダリアの原種がメキシコからスペインに送られ、その後ベルギー、フランス、イギリス、オランダで現在のダリアの元になる様々な花形の品種が育成されています。
日本には江戸時代末期にオランダから持ち込まれ、、和名は花姿がボタンに似ていることから「テンジクボタン(天竺牡丹)」と名づけられています。
花壇の主役「ダリア」
ダリアの開花時期は6月中旬~11月ですが、真夏は咲きにくいため花色が鮮明で花数の多くなる9月中旬~10月に花壇の主役となります。
ダリアの花色は赤、ピンク、オレンジ、黄、白、紫、複色があり、花のサイズは超巨大輪、巨大輪、大輪、中輪、小輪、極小輪と多種多様です。
ダリアは「切り花」としても人気があり、通年多くの品種が出回っています。そのほか、葉色の濃い銅葉系の品種や、木のように大きく育つ「皇帝ダリア」、チョコレートの香りのする品種などがあります。
ダリアは栽培も比較的容易で、家庭ではもちろん「ダリア園」も多くあり、たくさんの種類を楽しむことができます。
咲き方の種類が非常に豊富「ダリア」
ダリアの花は、咲き方の種類が非常に豊富で、大きく分けて「一重咲き」、「アネモネ咲き」、「コラレット咲き」、「スイレン咲き」、「デコラティブ咲き」、「ボール咲き」、「ポンポン咲き」、「カクタス咲き」、「セミ・カクタス咲き」に分けられます。
一重咲きは、平らな花びらが外側に1周ぐるりと開き、「ガーベラ」や「ヒマワリ」のような咲き方です。アネモネ咲きは、一重咲きと同じように外側に平らな花びらが1周し、花の中心部に筒状の花びらが密集します。コラレット咲きは、外側の平たい花びらと花の中心部の間に、色の異なる小さな花びらをつける咲き方です。
ヒマワリ 太陽の方向を向くように動き、太陽のような大輪の花を咲かせる。フランスのルイ14世の紋章。
スイレン咲きは、平たく大きな花びらを花の中心から外側に向かって放射状に並べる八重咲きです。デコラティブ咲きは、平たい花びらを中心から放射状に広げ、スイレン咲きよりも花びらが多く質感があります。ボール咲きは、花全体がボールを思わせるような球状の八重咲きで、花びらの先端は少し内巻きになります。ポンポン咲きは、ボール咲きよりもさらに花全体が丸い形をしている八重咲きです。
カクタス咲きは、八重咲きで花びらは細く先が尖り、外巻きに反転しています。セミ・カクタス咲きは、八重咲きで花びらの基部は平らですが、先端はカクタス咲きと同じように細くなり外巻きに反転しています。その他にも一重の変わり咲きの中に「オーキッド咲き」と呼ばれるものや、八重咲きで花びらが不規則に並ぶ「ピオニー咲き」などがあります。