ヒイラギモクセイ 花はモクセイと同様に上品な芳香がある。近似種とは葉の縁でも区別ができる。
住宅やマンションの垣根にもよく用いられている「ヒイラギモクセイ」
ヒイラギモクセイ(柊木犀)は、モクセイ科の常緑小高木です。高さは2~8mになり刈り込みに強く、いろいろな樹形にすることができます。
ヒイラギモクセイは「ヒイラギ(柊)」と「ギンモクセイ(銀木犀)」との交雑種であり、中国大陸が原産といわれています。
ヒイラギモクセイは九州から本州にかけて多く見られ、比較的土質を選ばないため、痩せ地でも育てることができます。
ヒイラギモクセイは下枝が枯れにくく管理もあまり手がかからないため、防犯も兼ねて住宅やマンションの垣根にもよく用いられています。
花はモクセイと同様に上品な芳香がある「ヒイラギモクセイ」
ヒイラギモクセイの開花時期は10月中旬~下旬で、白色の花が咲きます。
ヒイラギモクセイの花は、葉が茂っている部分の内側につくためあまり目立ちませんが、モクセイと同様に上品な芳香があります。
ヒイラギモクセイは「キンモクセイ(金木犀)」やギンモクセイよりも丈夫で日陰にも耐え萌芽力もありますが、排気ガスなどの大気汚染に敏感なため、空気の汚れた場所では花が咲かないことがあります。
キンモクセイ 「ギンモクセイ」の変種で、秋の訪れとともに香る花。
またヒイラギモクセイは雌雄異株で、日本では雄株が中心で結実しないため、繁殖は挿木によって行われます。
近似種とは葉の縁でも区別ができる「ヒイラギモクセイ」
ヒイラギモクセイの近似種にはキンモクセイ、ギンモクセイ、ヒイラギがあります。花がキンモクセイ、ギンモクセイ、ヒイラギモクセイ、ヒイラギの順に咲くため開花時期で区別できますが、それぞれの葉の縁でも区別ができます。
キンモクセイの葉の縁は、ほとんどがスベスベで、葉の先端近くに少しだけギザギザの部分があります。
ギンモクセイの葉の縁は、わずかにギザギザがありますが、ヒイラギモクセイほどはっきりとしたギザギザではありません。ギンモクセイはヒイラギモクセイとよく似ていますが、街路樹として植えられているものの多くはヒイラギモクセイです。
ヒイラギの葉の縁は、ヒイラギモクセイよりもさらにギザギザですが、ヒイラギモクセイの方がヒイラギまたはセイヨウヒイラギに比べてはるかに葉が大きいのが特徴です。