クロッカス 霜や凍結にも負けずに花が咲く。花の色がとても豊富。
霜や凍結にも負けない花「クロッカス」
クロッカスは霜や凍結にも負けずに元気に花が咲くため、古くから栽培されてきました。クロッカスはアヤメ科の多年草で、園芸品種も多数育成されています。
クロッカスの名前はギリシア語のクロケ(糸)に由来し、糸のような細長いめしべを持つ種があることにちなみます。
クロッカスのうち観賞用のみに栽培される「春咲きクロッカス」は、「花サフラン」や「春サフラン」とも呼ばれています。これに対して秋に花を咲かせる「秋咲きクロッカス」の代表が、紀元前からスパイスや薬用に用いられてきた「サフラン」です。
クロッカスはヨーロッパ南部から中部、北アフリカ、中東、中央アジア、中国に分布しており、森林や雑木林、草原などを中心に自生が見られます。
花色が豊富「クロッカス」
クロッカスは開花の時期が2月から4月です。クロッカスの花は下の方が細長い筒状で、先端が6枚の花びらになって開きます。
クロッカスの花は日差しを浴びて気温が高くなると花びらが開きますが、曇りの日や夕方以降は気温が低くなるので花びらが閉じます。
クロッカスの花色は豊富で、黄色、白、紫、赤紫、藤色、クリーム色などがあります。また、網目状に模様が入る「絞り咲き」もあります。
花壇植えでは、クロッカスの代表格ともいえる早咲きの「ラージ・イエロー」や「イエロー・マンモス」、そしてそのあとに続くように咲くベルナス種の紫や白の品種が一般的です。2月に咲く寒咲き系には、「シーベリー」や「クリサンサス」などの小型種があり、品種も多く花色のバラエティに富んでいます。
地下の球根が茎「クロッカス」
クロッカスは球根から直接、線状の葉や花が伸びて茎がないように見えますが、実は地下の球根が茎に当たります。クロッカスの球根は茎が縮まって肥大したもの(球茎)です。
クロッカスの葉には縦方向に白い溝が走り、付け根は薄い膜のような「さや」で束ねられています。クロッカスは開花時の葉の長さが花の高さと同じか低いくらいですが、花が咲き終わった後に葉が伸びて茂ります。
クロッカスは茂った葉で栄養を作り新しい球根に蓄え、その後葉が枯れて休眠します。そして翌春に休眠から覚めると、早春の日差しを受けて再び花を咲かせます。
クロッカスは小型の球根草花なので、ちょっとしたスペースで手軽に花が楽しめ、鉢植え、花壇植えの他、水栽培でも育てられます。