シュウメイギク とても丈夫で育てやすい、秋に咲く明るい花。花びらは退化。
秋に咲く明るい花「シュウメイギク」
シュウメイギク(秋明菊)は秋の風情が感じられる優雅な花で、切り花をはじめ、花壇や鉢植えに広く利用されています。シュウメイギクは日本原産ではなく、古い時代に中国からやってきて、野生化したものといわれています。
シュウメイギクは本州、四国、九州の山野や里山に自生し、毎年花を咲かせる宿根草ですが、京都の貴船地方で野生化した「キブネギク(貴船菊)」が本来のシュウメイギクです。ただし、現在では類似のいくつかの種の交配種も含めて、総称的に「シュウメイギク」と呼ばれています。
シュウメイギクは「秋に咲く明るい花」という意味でつけられたとされています。花が菊に似ていることから名前に「菊」とついたようですが、アネモネの仲間で、英語では「ジャパニーズ・アネモネ」と呼ばれています。
シュウメイギクは、「秋牡丹」などの別名でも呼ばれており、欧米ではボーダーガーデンや日本風の庭園には欠かせない植物となっています。
花びらは退化「シュウメイギク」
シュウメイギクの開花時期は8月中旬から11月です。品種によって差はありますが、晩夏から初冬にかけて咲きます。
シュウメイギクは夏の暑さにも比較的強く、寒さにも強いので温暖地では12月になっても咲いている姿が見られます。
シュウメイギクの花の色は品種によって異なりますが、元々は赤紫色だった花が、白色やピンク色の花も出てきています。シュウメイギクの花びらのように見える部分は、色づいた萼(がく)片です。
シュウメイギクの花びらは退化しており、花の中心は雄しべが密集して黄緑色の球状になっています。そのまわりをたくさんの黄色い雌しべが取り囲んでいます。最近では八重咲のシュウメイギクや矮性のシュウメイギクもあります。
とても丈夫で育てやすい「シュウメイギク」
シュウメイギクは初冬に萼片が散ったあと、中心の球状の雄しべだけが残ります。
シュウメイギクの中心の雄しべが熟して割れると、中から真っ白な「綿毛」が出てきます。 この綿毛が飛んでタネが落ち、シュウメイギクは増えていきます。
また、シュウメイギクは「地下茎」で増えるのも特徴のひとつです。 シュウメイギクは冬は地上部が枯れてしまいますが、その間も地下茎は育っています。
シュウメイギクは春になると地下茎から芽を出し、環境が合えば広がって増えていきます。シュウメイギクは見た目の印象とは違って、とても丈夫で育てやすい花です。