センリョウ サンゴのような美しい果実。縁起物として寄せ植え。
庭木の定番「センリョウ」
センリョウ(千両)は東アジア、インド、マレーシアなどの温暖な場所に広く分布している常緑性の低木で、常緑広葉樹林の下のように一年を通して直射日光の当たらない半日陰の場所に自生しています。
日本では、センリョウは関東地方より西から四国・九州・沖縄に自生するほか、鉢植えや庭園にも庭木の定番として古くから植えられています。
センリョウは江戸時代まで「センリョウカ(仙寥花)」と呼ばれていましたが、縁起をかつぐ意味を込めて「センリョウ」になったといわれています。
サンゴのような美しい果実「センリョウ」
花の少ない冬の時期に、サンゴのような美しい果実をつけるセンリョウは「草珊瑚(くささんご)」とも呼ばれ、葉の形も小判に似ていることから「お正月の縁起物」として人気の高い植物です。
センリョウの花は、6月から9月頃に黄緑色の小さな花を10数個かたまって咲かせますが、花びらはなくあまり目立たないので、注意してみないと気づきにくいです。
センリョウの果実は球形をしており、秋から冬にかけて鳥が好んで食べる姿がみられます。
センリョウの園芸種には、果実が熟すとオレンジ色っぽい黄色に色づく「キミノセンリョウ(黄実千両)」や紫黒色の新葉が美しく、リーフプランツとしても流通している 「ムラサキセンリョウ(紫千両)」があります。
縁起物として寄せ植え「センリョウ」
センリョウの他にも「マンリョウ(万両)」、「カラタチバナ(百両)」、「ヤブコウジ(十両)」、「アリドオシ(一両)」といった植物は、どれも小さな赤い果実をつけますが、この果実のつく数量に基づいて「万、千、百、十、一」の順番がつけられたといわれています。
センリョウは冬の季語にもなっており、葉の上に赤い実をつけるのがセンリョウ(写真の下部)で、マンリョウは葉の下に実をつけます(写真の上部)。
センリョウ、マンリョウとアリドオシを寄せ植えして「千両・万両・在りどおし」の縁起で商家の庭園などにそろって植えられることもあります。