アサガオ 日本で最も発達した観賞用植物。多くの品種があり、変化に富む。
日本で最も発達した観賞用植物「アサガオ」
アサガオは、江戸時代以降に観賞用として栽培されてきた古典園芸植物のひとつで、日本で最も発達した園芸植物です。
アサガオは、つる性の一年草で、あんどん仕立てやつるを長く伸ばしてカーテンのように仕立てる方法が代表的ですが、つるが伸びない矮性の品種もあります。
アサガオは日本で古くから親しまれている草花ですが、日本原産の植物ではなく、熱帯から亜熱帯地域が原産地といわれています。
アサガオは奈良時代に遣唐使が種子を持ち帰ったのが最初で、薬草として用いられたのが始まりです。アサガオは夏のイメージがありますが、秋の季語です。
「大輪アサガオ」と「変化アサガオ」
アサガオの開花時期は、7月から9月で、花色には白やピンク、青、紫など様々です。
アサガオには多くの品種がありますが、大きな花の「大輪アサガオ」と葉や花がユニークに変化した「変化アサガオ」とに分けられます。また「変化アサガオ」のなかでも、キキョウのような花姿のアサガオは「キキョウ咲きアサガオ」と呼ばれます。
このほか、アサガオの近縁種として覆輪部(ふくりんぶ)と花弁の中心に向かって筋状に白い模様が入る「曜白(ようじろ)アサガオ」や、朝から昼まで咲く「西洋アサガオ(ソライロアサガオ)」、沖縄でよく見られ琉球アサガオの名でも知られる「ノアサガオ(宿根アサガオ)」などがあります。
どのアサガオも鉢植え、露地植えどちらでも楽しめますが、「大輪アサガオ」や「変化アサガオ」は鉢植えに向き、近年注目されている「緑のカーテン」には、つるがよく伸びる「曜白アサガオ」や「西洋アサガオ」、「ノアサガオ」が向いています。
多様で変化に富む「アサガオ」
アサガオは、花の大きさも巨大輪から小輪まであり、変化に富んでいます。世界的に見ても、これほど形態が多種多様に変化した園芸植物は他にないといわれています。
ほとんどのアサガオの変異は、江戸時代に生まれたものです。変異の著しいアサガオには、種子を作る事ができないものもあります。この変異が著しいために種子ができない、または非常に結実しにくいものは「出物(でもの)」と呼ばれています。
20世紀に入り、多様な遺伝子変異を持つアサガオは、日本の遺伝学者により遺伝学の研究対象となっています。そして現在も、 アサガオは遺伝学および生理学の研究材料として用いられています。