ハナキリン 水が少ない厳しい環境に適応できる。茨の冠と呼ばれ、見た目や生態はまちまち。

茨の冠と呼ばれる「ハナキリン」

ハナキリン(花麒麟)はマダガスカル原産で、トウダイグサ科に分類される多肉植物です。

ハナキリンの名はサボテンの「モクキリン(木麒麟)」に姿が似ており、長く花を咲かせることに由来しています。英語では、イエス・キリストが冠せられた「茨の冠」がこの植物だったとの伝説があることから「Crown of thorns(茨の冠)」と呼ばれます。

ハナキリンは、日本には大正時代の初期に渡来しました。ハナキリンは熱帯から亜熱帯地方では、生垣や庭木などにも利用されています。

ハナキリンは幹や枝には長さ2cmほどの鋭く太いトゲがあり、若いうちは比較的柔らかく次第に硬くなっていきます。

水が少なく厳しい環境に適応できる「ハナキリン」

ハナキリンの開花時期は 3月~12月ですが、温暖な場所であればほぼ1年中花を咲かせます。

ハナキリンの花に見える部分は「苞(ほう)」と呼ばれる葉が色づいたもので、実際の花は中心部分にあります。

ハナキリンの花の大きさは品種によって異なり直径1〜2cmと小ぶりなものから5cm以上と大きなものまであるので、飾る場所に合わせて選ぶことができます。

ハナキリンは鉢へ植えられたものが、2〜4月と6〜9月に出まわります。ハナキリンは砂漠などの水が少なく厳しい環境に適応できるほど丈夫な植物ですが耐寒性があり、関東以南の温暖な地域であれば屋外でも越冬可能です。

見た目や生態はまちまち「ハナキリン」

ハナキリンを含むユーフォルビア属は2,000を超す種があり、見た目や生態はまちまちでサボテンのように見える茎が極端に肥大したものもあります。よく知られているものに、クリスマス時期に鉢花で出回る「ポインセチア」があります。

ハナキリンは種類が多く、よく見かけるものは「スプレンデンス」と呼ばれる品種です。スプレンデンスは広く栽培されている代表的な変種で、本来「ハナキリン」の名前は本種を指す園芸名です。スプレンデンスは今では他の変種も含めた総称のようになっており、草丈は2m程に生長します。

濃い赤の花をつけるものは「ブレオニー」と呼ばれ、ピンク、白、黄、緑など色の種類も豊富です。また斑入り品種や、大型の品種もあります。

トゲがあるのが特徴のハナキリンですが、近縁に「トゲナシハナキリン(刺なし花麒麟)」があります。トゲナシハナキリンは名前の通りトゲがなく、ハナキリンよりも小さく丸い光沢のある葉をしています。

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