セイタカアワダチソウ 戦後に広く帰化し、周囲の植物を抑制して群落をつくる。花粉症とは無関係。

戦後に広く帰化「セイタカアワダチソウ」

セイタカアワダチソウ(背高泡立草)は北アメリカ原産のキク科アキノキリンソウ属の多年草です。

日本へは1900年頃に観賞用や蜜源植物として導入され、戦後に広く帰化しました。

セイタカアワダチソウの名前の由来は、背が高く花が泡立っているように見えることからきています。アメリカではゴールデンロッド(金の鞭)と呼ばれ、アラバマ州では州花にもなっています。

セイタカアワダチソウは別名「セイタカアキノキリンソウ(背高秋麒麟草)」とも呼ばれます。

周囲の植物を抑制して群落をつくる「セイタカアワダチソウ」

セイタカアワダチソウの開花時期は10~11月で、枝の上側に5mmほどの黄色い頭状花序が密に並び、全体で大きな円錐状の花序になります。セイタカアワダチソウは舌状花、筒状花とも黄色で、舌状花は1頭花あたり10~18個あります。

セイタカアワダチソウの果実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)で、冠毛があります。

セイタカアワダチソウは道端や空地、荒地、草地、河川敷、堤防、海岸埋立地、放棄水田、放棄畑でよく見かけますが、根や地下茎から「アレロパシー物質」と呼ばれる毒を出し周囲の植物を抑制して群落をつくるため、古くから自生しているススキの存在を脅かすとして外来生物法で「要注意外来生物」に指定されています。

ススキ 秋の七草のひとつで、地上部が枯れると風情がある。日本文化の中で重要な植物。

ただセイタカアワダチソウは密生すると自らの毒で栄養が足りなくなって枯れてしまうため、痩せた土壌でも光合成が活発なススキが復活するということが自然界では起こります。

花粉症とは無関係「セイタカアワダチソウ」

セイタカアワダチソウの花は切り花のほかハーブとして利用されており、体内の毒を排出する作用があるためアトピー性皮膚炎を改善するといわれています。

セイタカアワダチソウは秋の花粉症の原因となる「ブタクサ」に似ていることもありアレルギーやぜんそくをひき起すと誤解されますが、ハチなどの虫によって受粉する「虫媒花」で花粉も比較的重く飛びにくいため、花粉症とは無関係といわれています。

セイタカアワダチソウとブタクサの見分け方は、葉の形の違いです。ブタクサは、葉の縁にギザギザがあります。

一方セイタカアワダチソウの葉は被針形で先が尖り、縁にはギザギザがありません。 また葉の表面はざらつき、裏面の脈上には微毛が生えています。

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