オトギリソウ 花色は、やや明るい黄色。日本全国に自生し、多くの用途が知られている。
日本全国に自生「オトギリソウ」
オトギリソウ(弟切草)は、日本、朝鮮半島、中国大陸原産で、オトギリソウ科オトギリソウ属の多年生草本です。オトギリソウは日本全国の道端、低地、畦に自生します。
オトギリソウの花名は秘伝薬の秘密を弟が他人に漏らしたため、兄に切り殺されたという言い伝えに拠ります。実際にオトギリソウのアルコール抽出液は血液にも似た暗黒色をしています。
オトギリソウは別名で「青薬(アオクスリ)」や「鷹の傷薬(タカノキズグスリ)」、「チドメグサ(血止め草)」、「盆花(ボンバナ)」とも呼ばれています。
ヨーロッパでは「セイヨウオトギリソウ」を聖ヨハネの祝日(6月4日)の前夜、魔女たちが活動するとされる時に摘めば悪魔払いになると信じられていたようです。
花色はやや明るい黄色「オトギリソウ」
オトギリソウの開花時期は7~8月で、花径は1.5cm程度です。
オトギリソウの花びらは5枚で、花色はやや明るい黄色をしています。
オトギリソウの花びらと萼には黒点がすじ状に多数入っています。オトギリソウの草丈は20~60cmです。
オトギリソウは「一日花」ですが、午後には咲き終わって花を閉じてしまいます。
多くの用途が知られている「オトギリソウ」
オトギリソウ属は、広義には雄しべの数が少なく、束状にならないヒメオトギリ属も含まれますが、狭義には多数の雄しべを束生するものに限り、北半球の亜熱帯から温帯に分布し、500種ほどあり、日本には40種ほど自生しています。
オトギリソウの葉は長楕円形~倒卵形をしています。オトギリソウの葉縁は全縁で、対生しています。オトギリソウの葉には葉柄が無く、表面に黒点があります。
オトギリソウは晩夏から初秋にかけて果実が成熟する頃に全草を採取し、日干しにしたものを生薬で「小連翹(ショウレンギョウ)」といいます。煎じ液は止血、月経不順、鎮痛の目的で服用され、リウマチ、神経痛、痛風には浴剤として鎮痛効果があるようです。
またオトギリソウは薬酒でリウマチ、神経痛の予防に、煎汁を扁桃腺炎のうがい薬として用いるなど、多くの用途が知られています。オトギリソウは虫刺され、切り傷や打撲傷には生の葉を絞って塗布すると効果があると言われています。