シクラメン 鉢に植えて室内で育てる。葉は濃い緑色のハート型をしており、ほとんどは園芸品種。
鉢に植えて室内で育てる「シクラメン」
シクラメンは、サクラソウ科シクラメン属に属する多年草の球根植物です。シクラメンは冬になると園芸店やホームセンターに並び、基本的には鉢に植えて室内で育てるのが一般的です。
シクラメンは18世紀に原種の「シクラメン・ペルシカム」がイギリスで導入されたのを始めに、ヨーロッパで多く品種改良が進んだと言われています。
シクラメンの原産地は北アフリカから中近東、ヨーロッパの地中海沿岸で、野生のブタが球根部分を食べていたことから、「豚のパン(sow bread)」と呼ばれていました。
シクラメンが明治時代に日本に入ってきた時、シクラメンは直訳の「ブタノマンジュウ」という和名が付けられました。後に植物学者がシクラメンの花の姿を見て「篝火(かがりび)のようだ」と発言したことから、「篝火花(かがりびばな)」という和名が追加されたと言われています。
葉は濃い緑色のハート型をしている「シクラメン」
シクラメンは10月~3月の寒い時期に開花し、大きな花びらは基本5枚で下向きに反り返るようにして咲くのが特徴です。
シクラメンの草丈は10cm〜25cm程で葉は濃い緑色のハート型をしており、細く伸びた茎に一輪ずつ花を付けていきます。
シクラメンの花色は、赤やピンク、白などの定番色に加え、黄色や紫の珍しい品種もあります。
またシクラメンは品種によって花の咲き方も異なり、八重咲きや花びらにウェーブが入るロココ咲きなどがあり、香りをもつ品種など毎年次々と新品種が発表されています。さらにシクラメンは株と花の大きさによって、大輪系、中輪系、小輪系の3つのタイプに分類されます。
ほとんどは園芸品種「シクラメン」
シクラメンの種類は、地中海沿岸地方やヨーロッパ中部に約20種〜30種ほどが分布しています。現在販売されているシクラメンのほとんどは園芸品種で、花色や花びらの形にさまざまなバリエーションがあり、種類は「原種のシクラメン」、「ミニシクラメン」、「ガーデンシクラメン」の3つに分類され、それぞれ栽培方法や温度管理が異なります。
原種のシクラメンはごく一般的なシクラメンで、花径は4.5cm前後あります。原種のシクラメンには、暑さに強く丸く肉厚な花びらが特徴的な「バーバーク」や、クリーム色がかった白の花びらが特徴的な「モンブラン」などの品種があります。またフリンジ咲きが特徴的な「ビクトリア」は、スタンダードからミニシクラメンまでさまざまな品種があり、好みの色や大きさを選ぶことができます。
ミニシクラメンは、シクラメンの中でも小さめの花径4cm以下の小さな花をつける品種です。ミニシクラメンは小ぶりながらも丈夫なので育てやすく、初心者にも人気がある品種です。ミニシクラメンには、半八重咲きの「フェアリーピコ」や、白の八重咲きの花を株一面に咲かせる「カレン」があります。
ガーデンシクラメンはミニシクラメンの中でも耐寒性に優れており、庭に植えて育てることができます。ガーデンシクラメンには、丸みのある花が特徴的で病害虫にも強い「ゴブレット」や、深紅の花色が特徴的な「ショコラ」、日に当てることで色味が増していく「ピアス」、葉全体が銀色に輝く「プラチナリーフ」など、個性豊かな品種がたくさんあります。