コスモス 日本の秋の風物詩で、群生させると見事な光景。一般的に交配種。
日本の秋の風物詩「コスモス」
コスモスは、キク科コスモス属に分類される一年草の総称です。コスモスは原産地のメキシコでは標高1,600m以上の地域に自生しますが、暑さにも強い花です。
コスモスは17世紀末~18世紀初頭に、スペイン人神父によってヨーロッパに持ち込まれました。コスモスが日本に伝わったのは江戸時代末期ですが、広く普及したのは明治前期と言われています。
コスモスの名前はギリシア語の「kosmos」に由来し、「美しい」という意味です。日本の秋の風物詩ともなっているコスモスは和名でも「秋桜」と記され、人々に親しまれています。
コスモスは日当たりと風通しがよい場所であれば、あまり土質を選ばずに育ちます。コスモスは環境が合えば「こぼれ種」でも発芽するため、日本全国で夏頃から花が見られます。
群生させると見事な光景「コスモス」
コスモスの開花時期は7~11月頃ですが、7~8月頃に咲く「夏咲き」や10~11月に咲く「秋咲き」、夏咲きと秋咲きの間の9月に開花させる「早咲き」があります。コスモスの花径は大輪種で10cmを超えます。
コスモスの花色はピンク、白、赤が一般的に知られていますが、他にも黄色や赤茶色などの珍しい花色も品種改良によって生まれています。コスモスは咲き方も「一重咲」のほか「八重咲」や花びらの付け根に小さな花びらが付く「コラレット咲き」、花弁が筒状になった「ストロー咲き」など多種多様です。
コスモスの野生種は草丈が2~3mになりますが、園芸品種は矮性種で40cm、高性種で1.5mほどです。コスモスは種子をまく時期が遅いと、低い草丈で楽しめます。
コスモスの葉は細かく枝分かれして、羽状になります。コスモスは茎が繊細で風に揺れるように花が咲きますが、「コスモス畑」のように群生させると見事な光景になります。
一般的に交配種「コスモス」
コスモスの仲間はメキシコを中心に約20の野生種が知られていますが、一般的に「コスモス」と呼ばれているのは主に「オオハルシュンギク」、 「チョコレートコスモス」、「キバナコスモス」の3種やその交配種を意味することが多く、日本のコスモスのほとんどがオオハルシュンギクといわれています。コスモスの中でも有名な品種は「センセーション」や「ベルサイユ」、「ソナタ」、「サイケ」、「アカツキ」、「イエローキャンパス」、「シーシェル」があります。
センセーションはアメリカで育成された、早咲き系統の品種です。センセーションはコスモスの代名詞的な品種で広く栽培されており、景観作りにもよく利用されています。ベルサイユは、濃いピンク色、桃色、白色をしたコスモスで、別名「センセーション・ベルサイユ」とも呼ばれます。花びらが10~12cmの大輪系で、ベルサイユもコスモスの代表的な品種の1つです。
ソナタは鉢植え用の背丈が低いコスモスで、生長が早く育てやすい分早く枯れてしまうという特徴もあります。ソナタにはピンク、赤、白などの色があります。サイケは「コラレット咲き」をする、特殊な品種です。コラレットは「襟飾り」という意味です。アカツキは「覆輪」と呼ばれる花びらの縁が違う色になる品種で、花びらの縁の色に縦模様が入っているのが特徴です。大輪種のアカツキは秋咲きなので、8~10月頃が見頃です。
イエローキャンパスは珍しい黄色の花を咲かせる品種で、黄色は淡い色から濃い色まで幅があります。イエローキャンパスは10~11月が見頃の秋咲き品種です。シーシェルは花びらが筒状に細長く包まる品種で、白、ピンク、濃いピンク、紫、黄色など花色が豊富な品種です。シーシェルは別名「貝付きコスモス」とも呼ばれ、早咲きのコスモスです。