パンパスグラス 風に揺れる姿は雄大な中にも情緒がある。絹糸のような光沢のある毛が密生する。
風に揺れる姿は雄大な中にも情緒がある「パンパスグラス」
パンパスグラスは、南アメリカとニュージーランド、ニューギニアに分布する「ススキ」に似た多年草で、約20種が知られています。パンパスグラスが風に揺れる姿は、雄大な中にも情緒があります。
ススキ 秋の七草のひとつで、地上部が枯れると風情がある。日本文化の中で重要な植物。
パンパスグラスの名前は、「パンパ」と呼ばれる南米の草原地帯に自生していることに由来します。
パンパスグラスは別名「シロガネヨシ(白銀葭)」とも呼ばれ、日本では明治時代中期に渡来した「セロアナ種」が栽培されています。
パンパスグラスは庭植え用の苗が流通しており、庭園や公園などに植えられているほか紙の材料にもなります。
絹糸のような光沢のある毛が密生する「パンパスグラス」
パンパスグラスの開花期は9月~10月で、花茎を長く伸ばして花穂を付けます。パンパスグラスの花穂の長さは70cm前後で、絹糸のような光沢のある毛が密生します。
パンパスグラスには雄株と雌株があり、花穂は雌株のほうが長いため雌株の観賞価値が高くなります。パンパスグラスの花穂は、「切り花」や「ドライフラワー」としても利用されます。
パンパスグラスの葉は細長く、かさかさしたような質感です。葉の縁はガラスの様に硬く、鋭い細かな歯が並びます。
パンパスグラスは日当たりの良い場所を好みますが痩せ地でも育つ強健種で、水はけさえ気をつければ特に土質は選びません。パンパスグラスは茎が密に群生して、大株となります。
ススキとは別種「パンパスグラス」
パンパスグラスの主な品種に「プミラ」や「ホワイト・フェザー」、「ピンク・フェザー」があります。プミラは、草丈が1m~1.5m程度までしか生長しない矮性の品種です。
ホワイト・フェザーは草丈が3mになるため、大きな庭でないと栽培が困難です。ホワイト・フェザーは白い花穂が切り花に利用されます。ピンク・フェザーはホワイト・フェザーと同様に、草丈が3mになる大型の品種で切り花向きです。ピンク・フェザーは、淡いピンクの花穂をつけます。
「西洋ススキ」と呼ばれることもあるパンパスグラスですが、秋の七草のひとつでもあるススキとは別種です。パンパスグラスはイネ科ですがシロガネヨシ属で、ススキはイネ科のススキ属です。
パンパスグラスとススキの簡単な見分け方は、花穂の付き方です。パンパスグラスの花穂は厚みと立体感がありますが、ススキの花穂は風になびくような軽やかさで厚みがなく、花穂に間隔があります。